肝臓がん

5‐FU、分子標的治療薬、経皮的肝灌流化学療法など、肝臓がんの治療で使われる薬の副作用と働きを調べてまとめました。

肝臓がんに使われる抗がん剤の副作用とは

肝臓がんの治療に使われる抗がん剤には「5‐FU(フルオロウラシル)」「分子標的治療薬」「経皮的肝灌流化学療法(PIHP)」があります。それぞれの抗がん剤に含まれる成分や副作用についてチェックしていきましょう。

抗がん剤「5‐FU(フルオロウラシル)」の動注化学療法&インターフェロン併用治療

「動注化学療法」というのは、鼠蹊部からカテーテルを注入し、肝動脈から腫瘍部に対して抗がん剤を直接的に集中投与する方法。肝臓がんには全身化学療法が有効的とは言えないので、抗がん剤を使う場合は、この療法が中心とされています。

大阪大学の報告によると「5-FU(フルオロウラシル)」の動注療法と同時にインターフェロンの筋肉注射を行なうことで、手術不能の進行がんの場合でも48%の人においてがんの消失(CR)、大幅な縮小(PR)がみられたそうです。

局所的な抗がん剤投与となるため副作用の心配も少なく、治療スタートから効果がみられるまでの期間が短いという点もメリットとして挙げられます。

フルオロウラシル

概要
DNA合成に必要な物質「ウラシル」に似た分子構造が特徴で、このウラシルに代わってDNAに取り込まれ、その合成を阻害することで抗腫瘍作用を発揮する。さまざまな種類の癌に効果が期待できる。

主な副作用
剤型による差はあるが、強い下痢や出血性腸炎といった消化器症状と、それに伴う脱水症状などが報告されており、高度の骨髄抑制や間質性肺炎、肝機能障害や黄疸、急性腎不全、うっ血性心不全、白質脳症といったものが発症する可能性もある。
一般的な副作用として挙げられるのは、消化器障害をはじめ、しびれやめまい、倦怠感といった精神神経症状、また色素沈着や脱毛といった皮膚症状、さらに腎機能・肝機能低下、発疹など過敏症、発熱等がある。

分子標的治療薬

この治療薬は抗がん剤の1種であるものの、従来の抗がん剤とは作用に違いがあり、がん細胞のみを持つレセプターや異常タンパクに対して集中的に作用します。

肝臓に対して有効に働く分子標的治療薬は、2008年承認の「ソラフェニブ(ネクサバール)」があります。

ソラフェニブ

概要
2008年の承認と同じ年に発売された、腎臓癌を対象とした初めての抗がん剤。細胞増殖やがんに栄養を運搬する血管新生に関係するいくつかのキナーゼを標的とする。

主な副作用
黄疸や、ALT(GPT)・AST(GOT)上昇を伴う肝機能障害が起こる場合があるため、定期の肝機能検査が必要。アミラーゼやリパーゼの上昇、下痢、脱毛が起こる場合もある。また、臨床試験では手足の腫れや手足症候群(皮膚が乾燥してはがれるなど)が約半数の人に確認されている。

経皮的肝灌流化学療法(PIHP)

この療法では、抗がん剤を肝臓のみに集中的に投与するので、効率良くがん細胞を殺すことができます。

また、正常な細胞には、抗がん剤の影響を与えにくいというメリットも。濃度の高い抗がん剤を肝臓に集中できるうえ、副作用も軽減できる療法といわれています。