肝臓がん

5‐FU、分子標的治療薬、経皮的肝灌流化学療法など、肝臓がんの治療で使われる薬の副作用と働きを調べてまとめました。

肝臓がんに使われる抗がん剤の副作用とは

肝臓がんの治療に使われる抗がん剤には「5‐FU(フルオロウラシル)」「分子標的治療薬」「経皮的肝灌流化学療法(PIHP)」があります。それぞれの抗がん剤に含まれる成分や副作用についてチェックしていきましょう。

抗がん剤「5‐FU(フルオロウラシル)」の動注化学療法&インターフェロン併用治療

肝臓がんの治療法には様々な種類がありますが、大阪大学付属病院で教授を務める門田守人氏らによって開発された抗がん剤「5‐FU(フルオロウラシル)」の動注化学療法&インターフェロン併用治療は新しい治療法の一つとしていくつかの施設で実践されています。

肝臓がんの治療では「動脈塞栓術」と呼ばれる方法が取られるケースもありますが、こちらはがんに栄養素を運ぶ血管をふさぐ治療法となっており、塞栓物質を注入する際に激しい痛みや不調を感じることがありました。

その痛みは広範囲にわたり、鎮痛剤を投与しなければ我慢できないほどの症状が出るケースもあります。しかし、動注化学療法の場合は血管を塞ぐ必要がありません。

血管を防ぐとどうしても肝臓自体にダメージを与えることになってしまうので、これを行わない治療法は大きな魅力だといえるでしょう。また、繰り返し抗癌剤を注入することも可能です。

この動注化学療法とインターフェロンを併用した治療は開発者の思いつきで生まれたものでした。

それまでの通常の治療法では十分な成果が発揮できないと思われる終末期の患者さんに対し、5-FUの経口剤と夢の抗がん剤とまで言われたことのあるインターフェロンを組み合わせて改善を試みたのがこの治療法となります。

一つ一つの治療効果はそれほど高くないとされていましたが、組み合わせて治療を行うことにより再発がんや転移がんにも効果を発揮する結果となりました。

フルオロウラシル

概要
商品名としては協和発酵工業の「5-FU」、東菱薬品工業の「カルゾナール」、旭化成ファーマの「ベントン」、沢井製薬の「ルナコール」・「ルナポン」などが挙げられます。特に効果を発揮するのは胃がんや大腸がん、乳がん、子宮がんです。注射剤としては肝臓がんのほか、膵臓がん、肺がん、卵巣がん、頭頚部がんなどに用いられることもあります。

主な副作用
剤型による差はあるが、強い下痢や出血性腸炎といった消化器症状と、それに伴う脱水症状などが報告されており、高度の骨髄抑制や間質性肺炎、肝機能障害や黄疸、急性腎不全、うっ血性心不全、白質脳症といったものが発症する可能性もある。
一般的な副作用として挙げられるのは、消化器障害をはじめ、しびれやめまい、倦怠感といった精神神経症状、また色素沈着や脱毛といった皮膚症状、さらに腎機能・肝機能低下、発疹など過敏症、発熱等がある。

分子標的治療薬

抗がん剤にはいくつかの種類があるものの、肝臓がんに対して大きな効果を発揮する抗がん剤はないと言われてきました。しかし、そういった中で注目が集まっているのが分子標的治療薬です。

これまで、肝臓がんに行える化学療法で主に取り入れられていた治療法はカテーテルを動脈から肝臓がんの細胞まで通して抗がん剤を注入する方法や点滴などによる全身化学療法でした。

しかし、直接抗がん剤を注入する動注化学療法は本当に効果があるのか実証されておらず、全身化学療法についても生存期間を延長することは難しいとまで言われていました。

そういった場面で登場したのが分子標的治療薬です。がん細胞の増殖を阻止するだけでなく、血管新生を抑える働きを持った経口剤がマルチキナーゼ阻害剤となっています。

ソラフェニブ

概要
キナーゼ阻害薬とも呼ばれる薬のことでがんに対抗する働きを持った薬となっています。がんが増殖や浸潤、転移を行うためにはそのための過程があるのですが、それを妨げる働きを持ったのがソラフェニブなどの分子標的薬です。

主な副作用
黄疸や、ALT(GPT)・AST(GOT)上昇を伴う肝機能障害が起こる場合があるため、定期の肝機能検査が必要。アミラーゼやリパーゼの上昇、下痢、脱毛が起こる場合もある。また、臨床試験では手足の腫れや手足症候群(皮膚が乾燥してはがれるなど)が約半数の人に確認されている。

経皮的肝灌流化学療法(PIHP)

従来の治療法では太もものつけ根からカテーテルを入れ、肝臓に抗がん剤を投与する治療法が行われていたのですが、副作用が大きいのが欠点でした。これにより濃度を抑えた薬剤しか投与できずにいたのですが、この治療の改良版として登場したのが経皮的肝灌流化学療法です。

バルーンで下大静脈の上下を遮断することにより通常の10倍もの今後の抗がん剤を投与することが可能となり、高い評価を得ています。

副作用を軽減できる方法としても選ばれており、現在、臨床試験なども行われている治療法です。副作用について確認する際には、必ず主治医の説明を受けましょう。インターネット上で収集した情報だけで個人的に治療の方針を決めてしまうのではなく、しっかり主治医の意見も聞いてみてくださいね。

抗がん剤のつらい副作用で悩むより、負担の少ない肝臓がん治療を

肝臓がん治療に用いられる分子標的治療薬の成分「ソラフェニブ」は、副作用の発症率の高さが特徴です。約半数の方が手足に痛みや水ぶくれを引き起こす「手足症候群」を発症してしまいます。他の抗がん剤を使った治療でも、下痢や腸炎といった消化器障害をはじめ、発熱やめまい、倦怠感などの副作用は避けられません。副作用は個人差があるとはいえ、重くつらいもの。できる限り、負担の少ない治療を受けたいと考えている方は多くいらっしゃるはずです。

以下のページでは、副作用の少ない3つの治療法を紹介しています。癌と上手に向き合うためには、副作用の負担を軽減した新しい治療法がおすすめ。なかには、癌を未然に防ぐ効果や検査で見つけにくい初期の癌を早期発見・治療できる方法もあります。負担の大きい副作用で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

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