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抗がん剤の副作用の時期はいつなのか

副作用はいつ出るの?

抗がん剤を用いたがん治療を行う際、多くの人が「どのような副作用がいつ出るのか?」を考えるでしょう。

抗がん剤には様々な副作用がありますが、その強さと現れる時期には個人差があるため、「この時、この副作用が、どのくらいの強さで起こる」とは一概には言えません。そして、使用する抗がん剤の種類やがんの進行度、体力によっては副作用が強く現れることもあるので、お医者さんと相談しながら抗がん剤を選択する必要があるのです。

抗がん剤ごとの副作用発現率

抗がん剤は種類によって副作用の発現率に差がありますが、下の厚生労働省によるデータを見ると、どの抗がん剤でも副作用の発現頻度は58%以上となっており、中には97%以上の確率で副作用が発現する抗がん剤もあります。

そのため、抗がん剤での治療を行えば、時期によって何らかの副作用が現れると考えられるでしょう。

薬物療法での製造販売後調査における副作用の発現頻度等

医薬品名 対象疾患 集計対象数 全副作用
マイロターグ 急性骨髄性白血病 753 663 88.0
ベルケイド 多発性骨髄腫 666 491 73.7
アリムタ 悪性胸膜中皮腫 903 760 84.2
アバスチン 大腸癌 2698 1589 58.9
タルセバ 肺癌 3488 2852 81.8
ゼヴァリン 非ホジキンリンパ腫 104 90 86.5
マントル細胞リンパ腫 20 18 90.0
スーテント 腎癌 464 438 94.4
消化管間質腫瘍 191 186 97.4
サレド 多発性骨髄腫 1035 634 61.3
スプリセル 慢性骨髄性白血病 537 423 78.8
急性リンパ性白血病 298 248 83.2
タシグナ 慢性骨髄性白血病 214 163 76.2
タイケルブ 乳癌 230 155 67.4

出典:(PDF)「資料1-2 抗がん剤の使用者数等」厚生労働省 - 2011[PDF]

中には、「殆ど副作用を感じない」と言う人もいますが、やはり稀です。実際は、吐き気や脱毛などの副作用で悩んでいる人が大勢います。

副作用には個人差があるとは言え、ある程度の目安があるので、ここでは基本的な副作用の発生時期や現れ方について説明します。

副作用が出始める時期

副作用は、一度に発症するわけではありません。抗がん剤が健康な細胞に作用することにより、そこから副作用が発生します。抗がん剤の副作用が現れる目安時期とその現れ方について具体的に見ていきましょう。

すぐに出る副作用

すぐに現れる副作用として代表的なものは、「アナフィラキシーショック」です。これは体の免疫が抗がん剤に過剰反応した際に発生するものです。

投与開始30分前後で発症することが殆どであり、前兆として点滴中に痒みやくしゃみなどのアレルギー症状が出始めます。さらに悪化すると血圧低下や呼吸困難といった危険な症状も現れ、最悪命に関わります。

アナフィラキシーショックが起こった場合、その抗がん剤は使用を中止して、他の抗がん剤や治療方法に変更することになります。なお、近年では抗ヒスタミン剤やステロイド剤を投与してアレルギーを予防することが義務付けられているため、重篤な事態になるケースはごく稀となっています。

投与して1週間頃に出る副作用

この頃になると、抗がん剤によるがん細胞及び健康な細胞のダメージとして、吐き気や倦怠感による食欲不振、便秘などが現れてきます。さらに、骨髄抑制もこの時期から起こってくるため、体の抵抗力が弱まりやすくなります。この時の食欲不振による食事量の減少は、あまり好ましいものではありません。摂取する栄養の量が減っていくことで、体の抵抗力はどんどん下がっていってしまうからです。体力低下を抑えるために、できるだけ嘔吐対策と食事管理に気を付けしましょう。バランス良く栄養素を摂取することで、治療を続けていける基礎体力を保つことができます。

ただし、無理に食べることで嘔吐してしまう可能性もあるため、「食事が、全く喉を通らない。食べても吐いてしまう」と感じる時は、点滴でビタミンなどを補給したり体の抵抗力を上げるための漢方薬を処方してもらったりしましょう。あくまでも、無理をしないことが大事です。

投与して1~2週間頃に出る副作用

この頃になると、骨髄抑制により体調はさらに悪化しやすくなります。それに加えて、末梢神経の異常により手足のしびれも出るようになります。

これらは、基本的にリハビリなどで回復するので、そこまで深刻な問題ではありません。しかし、体力回復のためにも、必要な栄養素は毎日できるだけ摂るようにしましょう。

人によってはこの頃から脱毛が始まり、体毛が抜け落ちやすくなります。

投与して2~3週間頃に出る副作用

この頃になると、髪の毛やまゆ毛などに脱毛が起こり始めます。

また、抗がん剤の影響による腎機能低下、膀胱炎、爪の変形なども現れてきます。味覚障害や貧血も起こってきますが、味覚障害はこれ以前に発生することも多いです。

この時期になると、ストレスで「うつ」が発症しやすくなるので、お医者さんやカウンセラー、信頼できる相手に悩みを相談して、不安を取り除くようにしましょう。抗がん剤治療とその副作用、発症時期とその強さについて知っておけば、ある程度心の準備ができ、不安とストレスを軽減することができます。

副作用の現れ方を知る

副作用は、“悪循環”によって発症することが多いです。

抗がん剤で健康な細胞が傷つくことにより骨髄抑制が起き、体内の赤血球と白血球、血小板が一時的に減少してしまうことで、副作用が起こりやすくなります。

赤血球不足は貧血を招き、倦怠感や頭痛、めまいを誘発しますし、白血球の減少は体の免疫力を低下させて口内炎や風邪などの症状を招いてしまうのです。この影響で内臓には負担がかかり、血小板がさらに減って止血効果が低下し出血しやすくなるという悪循環が生まれてしまいます。

これらのことから分かるように、抗がん剤による骨髄抑制は様々な体調不良を招き、さらに様々な体調不良を呼び寄せてしまうのです。

この悪循環を防ぐためには、とにかく栄養を摂リ続けることと無理をせずに安静にすることが大事です。抗がん剤治療が順調に進めば、、抗がん剤を投与する必要がなくなり、健康な細胞がダメージを受けることもなくなります。健康な細胞は代謝を行い、次第に元の健康な状態を取り戻していきます。

近年は、副作用を抑える薬も併せて処方してもらえます。どうしても辛い時は、お医者さんに相談して副作用を抑える薬を処方してもらいましょう。